ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2018.5.19 01:40

こんな感じよ。夜の会話。

気温が上がってきてあんまりよく眠れない。
深夜まで店で古いレコードジャケットの撮影をやっていた。
写真家のお客さんがものすごく多いので、
撮った写真を気軽にちょいちょい提供していただいたりして
いるのだけど、さすがに物撮りを頼むわけにいかないので、
自力で背景紙を敷いたりして一枚一枚、椅子の上に踏ん張って
撮りはじめ…。

そうしたら、たまたま居合わせたグラフィックデザイナー氏が

「SPA!見たぞーー、おまえ、ちゃんこ食ってたろ!
だから太ってたんだなー。ここ半年ぐらい顔丸かったから、
40過ぎたし、天地真理みたいになるのかと思ってたよ。
でもまた痩せてきたな?」

とからかいに来る。
うるっせーおやじだなーと思いながら、

「そっちも春先からたいがいデブってたけどいい感じにストレス
浴びて痩せてきたみたいじゃない。大変ねえー」

なんて言い返しつつ、
おまえほんと撮り方下手だな、この照明じゃ黒がきれいに出てない
だろ、待て、デザイナーが困るから…青の画用紙かなにかないか?
などなどプロのアドバイスを受けながら、なんだか小一時間も
撮影を手伝ってもらって、無事に貴重盤ジャケットを撮り終えた。

それから、デザインするときのアイデアをいくつかくれて、
でも俺からのアイデアだって言うなよ、本職の客がごちゃごちゃ
言ってきたと思うと面倒に感じさせてしまうから、と。
すごくちゃんとしてる仕事人のおじさんなんですよ。
デブった、痩せた、髪切りすぎと、うっさいけど。
ギャグをいつも用意してきて、笑わせようとしてくるんだけど、
用意しすぎててあんまりおもしろくないという、すべり芸系の
愛すべきおじさんでもある。

そんな昨夜。
わーわー言い合いながら写真を撮っているあいだも、
ただ黙々と撮影用のレコードを掘り出してくれたDJ Kojiさん。
73歳。50年間ずっとここで音楽をかけています。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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第117回 令和6年 5/25 SAT
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テーマ: ゴー宣DOJO in大阪「週刊文春を糾弾せよ!」

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